2015年8月24日
お便りVol.13 ピロリ検査(2014.11.14)
ヘリコバクター・ピロリ
あなたの胃にもピロリ菌が??
ピロリ菌は正式にはヘリコバクター・ピロリという細菌です。
ピロリ菌感染は、胃炎、胃・十二指腸潰瘍、萎縮性胃炎、胃がん、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減 少性紫斑病などとの関連から、2013年2月よりヘリコバクター・ピロリ感染胃炎に対しても除菌治療が保険適応となりました。
ピロリ菌の検査、治療の流れ
★まずは、胃内視鏡検査(胃カメラ)の予約をお願いします (電話不可)★
❶ ヘリコバクター・ピロリ感染の診断(ピロリ菌がいるのかな?)
除菌治療を受けるには、ヘリコバクター・ピロリ感染に起因する胃炎であることを確定診断するため、原則として胃内視鏡検査(胃カメラによる病理生検)を行います。
また、この内視鏡検査により胃癌の早期発見も期待されます。
❷ 一次除菌療法 (ピロリ菌がいた場合)
7日間の内服治療を行います。この間、禁酒をお願いします。
❸ヘリコバクター・ピロリ除菌の判定 (ピロリ菌を退治できたかな?)
一次除菌治療の終了後およそ4〜6週間経過してから再び胃内視鏡検査(胃カメラ)による生検を行います。除菌が成功したかどうかの判定を行います。
また、胃炎・胃潰瘍等の状態の変化も観察します。
❹二次除菌治療(もし一次除菌が不成功の場合)
一次除菌が不成功であった方に対しては、薬剤を変更して、二次除菌を行います。二次除菌までが保険適応となっ ています。
二次除菌も成功しなかったときには、三次除菌に移行しますが、三次除菌の薬剤選択についてはさらなる検討が必要となります。
ここまで、❶から❹までが一つの治療の流れとなります。
除菌後も定期的に検査を受けましょう
ピロリ菌を除菌したら、胃がんにはかからない・検査もしなくていいと思いたくなりますが、思い込みは禁物です。ピロリ菌は消えても、胃がんの発症要因はほかにもあります。このため、除菌治療をしても半年から1年後には定期的に内視鏡検査を受け、経過を観察していくことが大事です。
早期発見・治療を目指して進化する内視鏡
ところで、2013年に保険適用の対象となった慢性胃炎は、“内視鏡検査で確定診断された”慢性胃炎という点が大きなポイントです。病気の早期発見や早期治療、患者の負担を軽減するため、内視鏡は高性能に進化しています。最近では、胃に特定の波長をあてると毛細血管などの組織構造が鮮明に見えて、悪性か良性かが肉眼でわかるNBI(狭帯域光観察)機能を備えた内視鏡が普及しています。また、鼻から入れる経鼻内視鏡は口径が約5ミリと細く、患者様の苦痛が少なくなっています。当院の経鼻・経口内視鏡は、ともにハイビジョン画像で鮮明に観察することができます。NBI(狭帯域光観察)も装備しており、胃がん・胃炎等の早期発見を目指しています。